無意識の心理-深層心理学-心理因果(8) [無意識の心理-深層心理学]

<木の下ではなぜぬれないか>と考える。

これは雨のしずくのおちる方向や速度、
木の葉の位置、自分のいる位置などで説明される。
(この場合は自然科学的因果であって、
時間の座標を逆にすることによって原因=結果を逆にすることができる)

しかし、べつに、<雨にぬれないのは、おじいさんが木を植えたからだ。
この土地はあまり肥えないが、とくべつに注意してこれを植えたので
あって、そのために雨にぬれないのだ>
と説明することもできる。

おじいさんが木を植えたことが原因で、
雨にぬれないことが結果である。
(後者の場合の時間は、一定の<向き>をもっていて、
逆転することはない。)

この二つの説明はレヴィン以前から自然科学的説明
歴史的説明と呼ばれていたものであって、
すべての科学にはこの二種類の因果的説明が
ふくまれている。

自然科学においても数学、物理、化学のような
場合を抜けば、歴史的説明が全くないわけではない。

天文学でも、一つの天体がいつ、どこにあったかと
いうような、法則に還元できない側面があるし、
地質学や生物学のような科学では、
歴史的側面は、さらに重要なものとなる。

法則は存在するがジュラ期はただ一回かぎりだし、
ブロントサウルスは地上にふたたび姿を
現すことはない。

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